壊れやすいことは、弱いこととは違います

貝殻を選ぶとき、いちばん薄く、いちばん欠けやすい部分を、あえてそのまま活かすことがあります。丈夫な部分だけを使えば作業は楽になるのですが、その脆さこそが、その貝殻らしさだと感じるからです。

「Fragile Is Not Weak(壊れやすいことは、弱いこととは違う)」という言葉を、このごろよく心の中で繰り返しています。誰かから聞いた言葉というより、貝殻と向き合う時間の中で、自然と浮かんできた感覚です。

薄く繊細な貝殻は、確かに扱いを間違えれば簡単に割れてしまいます。でも、その薄さがあるからこそ生まれる透明感や、光を通したときの美しさがあります。頑丈さだけを求めていたら、決して出会えなかった表情です。

これは人の性質にも、そのまま当てはまる氣がしています。感じやすいこと、傷つきやすいことは、扱いには氣をつける必要があっても、弱さそのものではありません。むしろ、その繊細さがあるからこそ見える景色や、掬い取れる氣配があります。

壊れやすいものを、壊れやすいまま大切に扱う。そんな向き合い方を、貝殻からも、日々の暮らしからも、少しずつ教わっている氣がしています。

壊れやすさは、弱さではなく、繊細さという名の強さ。

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