しおかぜレモンのまちブログ

  • 野に咲く名前も知らない花と、知らないままでいいということ

    店舗の庭の小道の脇に、見たことのない花が咲いていました。 小さくて、薄い紫色で、風が吹くたびに揺れています。名前を調べようかと、少し立ち止まりましたが、結局そのままにしました。 名前を知らなくても、氣づけたということ自体に、もう十分な意味がある氣がしたからです。 わたしたちは、氣づいたものに、...
  • 朝いちばんの静けさが、いちばん好きだったりしませんか

    まだ空が何色にも染まっていない時間に、目が覚めることがあります。 窓を開けると、アトリエの前の草に、夜のあいだについた露がそのまま残っています。氣温はまだ低く、音もほとんどありません。鳥が一羽、遠くで鳴くくらいです。 このところ、一日のうちでいちばん好きなのは、実はこの時間なのかもしれない...
  • 涼しい場所を持っている人は、氣づけばもう、それを選んでいる。氣配に疲れやすい人へ

    アトリエに置いてある、丸いベンチ。氣づけば、いつも猫がそこにいる。 朝の光がまだ柔らかいうちに、日陰へ、日陰へと居場所を移していく。標高1,100mのこのあたりは、日向にいるとちゃんと夏の陽射しを感じるのに、木の影に一歩入ると、氣温がすっと変わる。猫はそのわずかな境界線を、わたしよりずっと正確...
  • お盆に、言えなかった感謝を思い出す

    この時期になると、これまでお世話になった方々のことを、一人ずつ思い出す時間を持つようにしています。 顔は浮かぶのに、名前が出てこない方もいます。感謝を伝えたいと思いながら、結局伝えられなかった方もいます。時間が経つほど、その機会は失われていくように感じることがあります。 けれど、遅すぎるという...
  • 霧で輪郭がぼやける朝は、判断を急がなくていい

    標高の高いこのあたりでは、朝、あたり一面が霧に包まれることがあります。 数メートル先までしか見えなくなり、いつもの景色が、輪郭だけのぼんやりとしたものに変わります。少し不便なはずなのですが、なぜか嫌いになれません。(すごく濃い霧の日に、大きな猪を見たこともあります。) はっきり見えないというこ...
  • 帰省ラッシュ〜「帰らない」ことにも理由がある

    お盆の帰省ラッシュの時期ですね。 高速道路の渋滞情報や、新幹線の混雑予想。毎年この時期になると、同じような話題が流れてくるころです。 調べてみると、帰省というのは単に距離を移動することだけでなく、大勢の人の中に身を置くことでもあるようです。駅も、サービスエリアも、実家に着いてからの親戚の集まり...
  • 暦の上の秋と、まだ続く夏

    もうすぐ、暦の上では秋の入り口にあたる時季を迎える頃合いです。 調べてみますと、この日を境に、手紙などの挨拶も「暑中見舞い」から「残暑見舞い」に切り替わるのだそうです。言葉の上では秋が始まっていても、実際の氣温はほとんど変わらず、むしろこれからが暑さの本番だという年も多いようです。 このずれを...
  • ひまわりの、まっすぐな性質について

    インスタグラムを見ていると、ひまわり畑の写真がいくつも流れてきました。 調べてみると、この時期、各地でひまわりが見頃を迎えているようです。一面に広がる黄色は、写真越しでも十分に元氣をもらえるような氣がします。 ひまわりは、太陽の方向に花を向けて咲く、という話をよく耳にします。でも実際には、成長...
  • 八月の、静かな入り口とまだ見えない秋の氣配

    今日から八月です。 暦の上では、もうすぐ立秋も近づいてきます。まだまだ暑さは続きますが、光の角度が、ほんの少しずつ変わり始めているようにも感じています。 猫は、朝いちばんの光が差し込む場所を、毎日少しずつずらしながら選んでいます。夏の初めと今とでは、日の当たる場所が違うのかもしれません。そんな...
  • 星を数えるという贅沢

    八ヶ岳の夜は、街の灯りが少ないぶん、星がよく見えます。 この時期は特に、天の川がうっすらと見える夜もあります。関東に暮らしていた頃は、星をゆっくり見上げる時間そのものが、ほとんどありませんでした。 星を数えるのに、目的はいりません。ただ見上げて、光の点を目で追うだけの時間です。役に立つかどうか...
  • 夕立のあとの匂い

    午後になると、急に空が暗くなり、夕立が降ることが増えてきました。 予報を見ていても、実際に降り出すと、いつも少し驚いてしまいます。慌てて窓を閉めながら、それでもどこかで、この匂いを待っていた氣もします。 雨上がりの、土の匂い。あの匂いを嗅ぐと、なぜか子どもの頃のことを思い出します。理由はうまく...
  • ひとつの桃を選ぶ時間

    このところ、直売所には山梨の桃が並ぶようになりました。 大小さまざまな桃の中から、ひとつを選ぶのは、実はなかなか時間のかかる作業です。香り、色、硬さ。どれを優先するかで、選ぶ桃はまったく変わってきます。 効率だけを考えるなら、目についたものを手に取ればよいのかもしれません。それでも、香りを確か...